(極低温センターだより第5号から抜粋)
2. 液体窒素実験の寄稿
今回は機会を捉えてお願いし、学外から寄稿していただくことができました。「液体窒素を活用した授業」の森川養護学校は、琉大のすぐ近く(西原町森川)にあり、毎年理科の授業に液体窒素を提供しています。「硬い鉄を入れてみたかった」というコメントは低温脆性を知ってのことでしょうか!? 「液体窒素を使った楽しい実験と実験技術」は県立学校初任者研修の課題研究で、県教育庁県立学校教育課に提出されたレポートのコピーです。
原稿をくださった先生方はみな琉大理学部のご出身です。中でも初任者研修レポートの古波蔵先生は、修士時代(1995年4月〜1997年3月)を極低温センターの実験室で過し、日夜磁性体の研究に励まれました。
ピン止め効果の実験に関しては、私から参考文献など補足しておきます。
上記入手先は私が利用したところで、メイカーは他にもあると思います。酸化物高温超電(伝)導体は、焼結体なら自作も簡単なようですが、溶融体(磁石との反発力が強い)でも手軽に作れるものなのでしょうか。私はこの分野のことが全く分かりません。次号に超電導体の作り方を寄稿してくださる方、大募集いたします!!
補足
写真の磁石は、円筒の軸方向が N←→S になってます。
磁石は直径が大きくなると、中心部の磁力が弱くなります。リング状の磁石がいいと、同和鉱業の方に教えていただきました。「はじめてナットク!超伝導」にも、反磁場効果として大型磁石の失敗談があります。液体酸素の場合、大きな磁石を使っても液が外周に集ってしまい、吸着量はそれほど増えません。また磁石が大きいと冷すのに時間もかかってしまいます。(実験を見せたり、子供にやらせるとき重要)
二六製作所のネオジム磁石のカタログを見ると、サイズと表面磁束密度や吸着力の関係がわかり、面白いと思います。私が購入したときより種類が増えており、より表面磁束密度の高い製品もあります。磁石Q&Aの「表面磁束密度ってなに?」や「磁石は2つ重ねると磁力は2倍になるの?」も参照してください。

ピン止め効果で宙に浮くネオジム磁石
超伝導体は 直径45mm、厚さ6mm
磁石は 外径31mm・内径15mm×厚さ2mm (NR005) の3枚重ね

ピン止め効果でぶら下がるネオジム磁石
(上のカップの中に超伝導体と液体窒素)
超伝導体は 直径25mm×厚さ13mm
磁石は 直径25mm×厚さ5mm (NE009)

ネオジム磁石に吸着する液体酸素
磁石は 直径10mm×厚さ10mm (NE017)